痩せ菌
私たちの腸内には、多種多様な細菌が生息しており、それらはなんと、1,000種1,000兆個以上。
特に小腸から大腸にかけて生息しており、これらの様々な細菌がバランスをとりながら腸内環境を良い状態にしている。
顕微鏡で腸の中を覗くと、それらはまるで植物が群生している「お花畑([英] flora)」のようにみえることから、『腸内フローラ』と呼ばれるようになりました。
『腸内フローラ』は健康に関わる、3つの役割を担っています。
代表的なのは、ビフィズス菌や乳酸菌のフェーカリス菌やアシドフィルス菌など。悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を促すことによって、お腹の調子を整えます。
ウェルシュ菌などが、腸内で有害物質をつくり出します。脂質や動物性たんぱく質を好み、悪玉菌が増えると、便秘や下痢などお腹の調子が悪くなることもあります。
健康な腸内では、乳酸菌のような善玉菌が悪玉菌の定着・増殖を抑えています。
また善玉菌には、有害物質を体外に排出するのを助ける作用もあります。
何らかの原因で、腸内の悪玉菌が優勢に(多く)なると、悪玉菌がつくりだす有害物質も増え、便秘や下痢、肌荒れやアレルギーなどを引き起こすことがあります。
悪玉菌より善玉菌が多い『腸内フローラ』に整えることが健康への第一歩となります。
最近よく聞く「腸活」は、『腸内フローラ』を整え、維持する活動のことなんです。
ワシントン大学の研究によると、同じ食事や生活習慣でも太りやすい体質、痩せやすい体質の人がいるのには、腸内フローラが関わっているといわれています。
腸内細菌には「デブ菌」と「やせ菌」があり、太ったマウスのデブ菌を痩せたマウスに 移植すると、痩せたマウスも太りやすくなったという実験結果が発表され、大きな話題となりました。
いずれにしろ、摂取カロリーだけが肥満や痩せの原因となっているわけではなさそうです。いくらカロリーが少なくても、その内訳が脂肪ばかりでは、痩せは期待できなさそうです。
将来的には医療の領域の極度の肥満に対して、便移植で治療がなされるようになってくるかもしれません。が、今は規則正しい生活と腸内フローラによい食生活で腸内環境を整えることがよいでしょう。
まずは便習慣を改善することから始めてみてはいかがでしょう?以下にご紹介する3つのポイントを意識してみてください。
1.よく寝て規則正しい生活を心がける
規則正しい生活によって便習慣も整います。なるべく同じ時間に睡眠を取り、定期的な排便のためのリズム作りを行いましょう。
2.バランスの取れた食事を心がける
野菜はしっかり取れていますか?肉食に偏っていませんか?食事バランスの偏りは便秘を引き起こす一因です。肉や卵などの動物性タンパク質だけでなく、野菜や発酵食品、魚なども忘れずに、バランスよく食べることを意識しましょう。
3.ストレスのない生活を送る
ストレスが多いと睡眠不足になったり、アルコール量が増えたりします。スポーツなどで適度に身体を動かすなどしてストレス解消を図ると、自律神経も整い、便習慣が改善されます。歩数であれば、1日1万歩が理想とされています。