睡眠

夜眠っているときに分泌されるホルモンの一つに「成長ホルモン」があります。成長ホルモンは、その名の通り、成長期に骨や筋肉などの成長を促すホルモンです。また、皮下組織の水分を保つ働きや皮膚のターンオーバーの促進、皮膚細胞の分裂、再生を促進する働きがあり、美容と健康に欠かせないものです。

1日のうちでもっとも成長ホルモンが多く分泌されるのは、寝入りばな。

眠りに入って30~60分でくる最初のノンレム睡眠(体も脳も休んでいる状態)のときです。例えば、22時~24時くらいに寝ると、2時頃までの間にノンレム睡眠が起こりやすくなります。「美肌を育むシンデレラタイム」なんて言葉も耳にしたことがあるのではないでしょうか。

では、この成長ホルモンの分泌をより促すにはどうしたらいいのでしょうか。

それは、「メラトニン」をきちんと分泌させることが重要です。メラトニンは体に夜が来たことを伝えるホルモンで、睡眠を促す働きがあり、免疫力を高め、抗酸化作用もあるといわれています。また、睡眠を促すだけでなく、成長ホルモンの分泌を促す役割もあります。

メラトニンは夜になり周りが暗くなると自然に分泌が増え始めますが、これは太陽が昇ってから沈む前までに分泌されるセロトニンというホルモンが変化したものです。つまり、セロトニンがきちんと作られないとメラトニンも作り出されないというわけです。

そして、メラトニンは明るい光によって分泌が止まってしまいます。朝、しっかり太陽の光を浴びることでメラトニンの分泌が抑えられるのは、目覚めが良くなるからいいのですが、就寝前に、スマートフォンやPCの画面からブルーライトなどの強い光を浴び続けると、睡眠に悪影響を及ぼしてしまいますので気をつけたいですね。

また、食事の時間帯にも注意しましょう。食事をしたあと、胃腸の働きが一段落するまでは約3時間かかるため、消化吸収するために胃腸が活発に動いている状態では、深いノンレム睡眠が起こりにくくなってしまいます。特に脂肪分の多い食事は消化に時間がかかるので、夕食では脂肪分の多い肉類や揚げ物は控えることもおすすめです。

成長ホルモンの分泌をより促すには、メラトニンをきちんと分泌させることが重要である。

メラトニンは、脳の中心部にある松果体から分泌されるホルモンで、抗癌作用や抗酸化作用もある。免疫系を刺激し、感染症にかかるリスクを低下させる。

また、体内時計のリズムを司り、睡眠を促して体を休ませ、良質の睡眠をもたらす効果もある。加齢に伴い分泌は低下するため、それにより睡眠の質も低下してしまう。

メラトニンは睡眠を促すだけでなく、成長ホルモンの分泌を促す役割もある。

メラトニンは夜になり周りが暗くなると自然に分泌が始まるが、これは太陽が昇ってから沈む前までに分泌されているセロトニンというホルモンが変化したものである。

つまりセロトニンというホルモンがきちんと分泌されないと、メラトニンも分泌されない。セロトニンは光の刺激で合成され増える。

朝は太陽光を浴び、夜は寝るという規則正しい生活をすることで、セロトニンメラトニンが正しく分泌され、成長ホルモンの分泌も促進される。 

さらにメラトニンの分泌を促すためには、まず、夜間は明るい光を浴びないようにする。

これは、メラトニンは明るい光によって分泌が阻害されてしまうためである。

小さい子供は、頭蓋骨からも光を感じてしまうこともあるため、眠っているからといって明るい場所に連れて行くのは要注意である。

もちろん睡眠時は室内を暗くし、スマートフォンやPCの画面も極力見ないようにすることが重要である。

青汁や野菜といった、セロトニントリプトファンメラトニンが含まれるものを摂取することも効果がある。逆に、メラトニンの分泌を妨げるため、夜6時以降はカフェインは摂らないようにする。